骨粗鬆症の薬ビスホスホネートの副作用、顎骨壊死の発生率は?(英)

骨粗鬆症の薬物治療のキードラッグとして、ビスホスホネート製剤があります。

しかし、ビスホスホネート製剤は、その副作用に顎骨壊死が知られており、服用には注意が必要です。

この顎骨壊死について、英国で全国調査が行われ、「顎骨壊死の発生率はそれほど高くない」――そんな結果が、口腔外科学会誌「Br J Oral Maxillofac Surg」に発表されました。

BRONJの発生率は低い!? 発生までの中間値は、注射で3年、経口で4年

論文ななめ読み

2009~2011年の2年間、ビスホスホネート関連顎骨壊死(BRONJ)を含む顎骨壊死で英国の歯科・口腔外科に受診した新規患者を調査した結果、383人が登録され、369人がBRONJであった。

207人(56%)が経口BP製剤を投与されており、125人(34%)が注射用BP製剤、27人が経口と注射の両BP製剤で、9人が不明、1人がデノスマブ(RANKLを標的としたヒト型モノクローナル抗体製剤、分子標的治療薬)を投与されていた。

顎骨壊死の主なリスクファクターは抜歯で、下顎が好発部位であった。

BRONJ発生までのBP製剤の投与期間の中間値は、注射用製剤で3年、経口製剤で4年であった。

本調査から、英国では毎年508-793人の顎骨壊死があると予測され、顎骨壊死の発生率は低いことが分かった。

原著論文はこちら

Rogers, et al. Br J Oral Maxillofac Surg. 2015 Feb;53(2):176-82.

編集後記

「BRONJに関するポジションペー パー」によれば、推計で、経口ビスホスホネート製剤における発生率は 0.85/10万人・年で、上記報告と大きな違いはありません。また日本口腔外科学会全国調査では、BRONJの発生率を約0.01~0.02%としています。

骨粗鬆症などで、ビスホスホネート製剤を使用中の場合は、患者も歯科医師も、「顎骨壊死のリスクがあるので、抜歯は、原則できない」と知っていなければならなりません。

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歯太郎

歯太郎

歯科医師、歯学博士(骨分野)、口腔外科認定医、インフェクションコントロールドクター、ブロガー、そして二児の父。