「だいたいウンコになる」抗菌薬―フロモックス、メイアクト、セフゾン、トミロン、バナン…

「フロモックス」、「メイアクト」、「セフゾン」、「トミロン」、「バナン」…これらの抗菌薬を使ったことはありますか?

日本ではある意味大変ポピュラーなこれらの抗菌薬、実は、ほぼほぼ100%不適切な処方なんです!

このページでは、なぜだか歯科でも処方されてしまう経口第3世代セフェムについて、なぜ不適切なのか?をご紹介します。

 フロモックス、メイアクト、セフゾン、トミロン、バナン…

「フロモックス」、「メイアクト」、「セフゾン」、「トミロン」、「バナン」…これらの抗菌薬は、「かぜ」で処方されることがものすごく多いので、日本では大変ポピュラーな、「J-ポップ」な抗菌薬です。

念のため、「かぜ」はほとんどがウイルス感染によるもので、たとえ細菌感染であっても、自然治癒することが多く、抗菌薬は「かぜ」に効くものではありません。

歯科での使用も、なぜだか認められてしまっているため、「フロモックス」、「メイアクト」、「セフゾン」、「トミロン」、「バナン」が処方されることも少なくありません。

ところが、これらの抗菌薬は、ほぼほぼ100%不適切なんです!!

なぜでしょうか?

理由1.消化管で吸収されず、「だいたいウンコになる」

「フロモックス」、「メイアクト」、「セフゾン」、「トミロン」、「バナン」などの経口第3世代セフェムは、まず、消化管での吸収が非常に悪いんです。

消化管で吸収されて血液中に入る割合を「バイオアベイラビリティー」と言いますが、経口第3世代セフェムでは、せいぜい20~30%が相場で、「メイアクト」では14%しかありません!

消化管で吸収されないのですから、経口第3世代セフェムは、飲んでも「だいたいウンコ」になるんです!!

「経口第3世代セフェム = だいたいうんこ(DU)」という「DUの定理」が成り立つ

忽那賢志先生、「日経メディカルAナーシング」より

理由2.腸内細菌叢をかき乱し、腸炎を起こすことがある

飲んでも「だいたいウンコ」になり、日本の保険適応量では、十分な量を投与できないため、たいして効かないDU(©忽那先生)ですが、害にならないわけではありません。

腸内細菌叢をかき乱し、クロストリジウム・ディフィシル感染症(腸炎)を起すことがあります。

腸内では、いろいろな腸内細菌がバランスをとって共存し、クロストリジウム・ディフィシルという細菌の増殖を抑えています。DU(©忽那先生)によって、正常な腸内細菌のバランスが乱され、増殖したクロストリジウム・ディフィシルが毒素を産生し、下痢などの症状を発症することがあります。

理由3.歯科医院では、アモキシシリン、クリンダマイシン

ほとんどの場合、DU(©忽那先生)よりも、もっと適切な抗菌薬があります。

口腔内の細菌は、アモキシシリン(サワシリン®など)やクリンダマイシン(ダラシン®)で、ほぼほぼカバーされるので、歯科で、DU(©忽那先生)を使う場面などありません!

抗菌薬の無駄使いをやめよう!

耐性菌が世界的に増えており、抗菌薬を適切に使うことの重要性が、これまで以上に高まっています。

抗菌薬が効かなくなれば、肺炎などの感染症の治療はもちろん、手術や、がん化学療法なども安心して受けれなくなります。いわば「限りある資源」である抗菌薬を無駄に使わず、未来に残すために、社会のみんなで注意していかなければなりません。

未来のために、ストップ・DU(©忽那先生)!

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歯太郎

歯太郎

歯科医師、歯学博士、口腔外科認定医、インフェクションコントロールドクター、ブロガー、そして二児の父。